私たち夫婦は1歳違いなので、年の離れた夫婦というのはどんな感じなのか想像できない。
ある時、夫婦年齢差10歳という先輩のご主人に「年の離れた夫婦って、どうなんですか? 育ったときの社会状況も違うし、たぶんはやっていた歌なんかも違うでしょうし」とお尋ねした。すると「年齢が離れていると、すぐに諦めがつくんですよ」と冗談ぽく、少し笑って言われた。その先輩ご夫婦ははたから見ても仲の良いおしどり夫婦で、「諦めがつく」とただ単に照れて言われているのかなと思った。
その話を、師と仰ぐIさんにすると「諦めという言葉は、辞書を引くと、明らかにするという意味もあるの。諦めは決心するとか覚悟することでもあるのよ。愛があれば覚悟はできる。覚悟ができていたら、何が起こっても、相手がどうあろうと、一つ一つ乗り越えることができるでしょ。結婚は諦めの連続とも言えるのよ」と話してくださった。
振り返ってみると、諦めがつかずに、私はいろんな場面で夫に食ってかかってきた。その時は、年の差が1歳だから仕方がない、と自分に言い訳をしていた。10歳離れた先輩ご夫婦の、「諦めがつく」と言われた言葉の奥に、夫婦となった「覚悟」も「決心」も、そしてさらにその奥にある深い愛情も感じられた。
年齢差もたぶん、それぞれの夫婦の個性と言える。年齢差があってもなくても、「覚悟」を持って毎日過ごしたら、「結婚して良かった」と心から相手に感謝できる夫婦になっていけるのではと思う 。
年齢差があっても
なくても
ペンネーム : スイトピー