私はもともと家庭的なことが苦手で、特に子供が産まれて育児をしなくてはいけなくなった時は、どうしていいか分からないことばかりで、大げさに言えば育児ノイローゼ気味だったのかもしれない。夫は私の悩みを懸命に聞いてくれたが、たぶん私以上に育児が苦手そうだったので、相談して意見を求めるということをしてこなかったように思う。
二番目の子供を授かり、出産する場所のことで実家の母と姑の意見が違っていて、主人にも悩みを打ち明けられずにいた時のこと。ある先輩が「そのことをご主人は何て言っているの? こんな時はご主人の気持ちに添ってみると、だいたい良いことになるみたいよ」と言われて、一人悩んでいた私はとてもびっくりした。「そうなのか、夫の気持ちを聞いて、添ってみたらいいんだ」と思った途端に、心が軽くなったことを覚えている。
それからの日々、悩みを聞いてもらうだけでなく、とにかくどう思っているのかと夫の気持ちを聞かせてもらっている。ときには「知らない」「わからない」というそっけない答えが返ってくることもある。それでも、夫がどう思っているかを妻である私が知っていることで、夫婦の気持ちが一つになりやすい。夫に心を合わせていくと、何だかとてもうれしい、幸せな気分になる。そして、結局いいことになっていく……。
心を添わせて
ペンネーム : スイトピー