何年か前にベストセラーになった、坂東眞理子さんの『女性の品格』という本がある。 先人の女性たちや筆者自身の、女性が女性として輝きつつ人の上に立って働く在り方が書かれていて、心躍らせて読んだ記憶がある。
義母もバリバリ働く女性だった。「姿勢を正しく保つ」と『女性の品格』にも書いてあったが、義母も立ち姿がすっとして姿勢の良い人だった。ある団体の責任者をしており、部下はほとんど女性だった。そして、いつも笑顔で部下の若い女性たちと向き合っていた。
義母が亡くなった後に、部下の方々や義母を知っている人たちから、私が知らなかったエピソードをいろいろ聞かせていただいた。「何度もお手紙で励ましていただいたんですよ」、「電話でよく愚痴を聞いてもらい、アドバイスをいただいていました」、「お義母さまからはお料理の出しの取り方も教わりました」など。女性の長だからこそ、がんばる女性たちの気持ちがわかり、ぴったり相手に届く心遣いができていたのではないかと思う。
仕事場でも、男性にはない女性ならではの柔軟な対応の方法というのがあるのだと思う。義母のような温かさと優しさを持った女性ならではの心遣い、そして自分への厳しさを持つことで、女性としての品格が備わるのでは、と義母を偲んでは思う。少しでも品格のある女性になれたらと、猫背の私はまずは姿勢を良くしようとがんばっている。
品格のある女性に
ペンネーム : スイトピー