食卓で納豆をぐるぐるかき回しながら、ふと「この器の中に一粒だけ黒豆が入ったらどうなるか」と思い立ち、人間関係に置き換えて勝手にシミュレーションをしてみました。突然違う環境に置かれた黒豆は適応できるか否かと……。
異文化の理解に努め、違いの分かる大人の黒豆に成長できるかどうか。あるいは、以前にも増して黒豆としての在り方に目覚め、周囲から一目置かれるような個性的黒豆になるか。はたまた、糸引き合うも多生の縁とばかりに喜んで、愛と調和を持って粘り強く納豆社会に溶け込んでいくか。
一方で、初めて出会う黒豆に刺激を受けて、一味違う進化した納豆が現れるかもしれない。お互い、昨日と全く同じままではいられない。違いがあるから、そこでコミュニケーションが発達する。その違いに向き合い受け止めることができれば、自分がより良く変わっていけるはず。自分が変われば、自己表現もバージョンアップする……。
たわいない思いつきからぐるぐる巡っていた空想も、ここに至って納豆と共に腑に落ちていきました。とかく他と違うことに対して臆病になりがちだけれど、一人一人が違うからおもしろいのだとポジティブに捉え、寛容な在り方をしたいものです。自分がより良くバージョンアップするためにも。