夫の眼鏡ケースが壊れていたのを思い出し、気を利かせて新しいものを購入したのですが、「相談してから買ってほしかった」とご機嫌 斜め。もともと、私がこの眼鏡ケース のデザインを気に入って買った のですが、どうやら夫にも愛着があ ったようで す。いつもは「せっかく買ってきたのに」とふくれて黙り込んでしまう私で したが、翌朝 もう一度、なぜ買おうと思ったのか を伝えてみました。「あなたがその眼鏡ケースを気に入ってくださっているのはうれしいわ。でも、あなたは会社の代表だから、私は持ち物にも気を配っておきたいの 」。
その日、市役所での会合 後 に帰宅した夫 が、「自分は会社の代表なんだ と思うと、 壊れた眼鏡ケースを机の上に出すのを恥ずかしく思った」と話してくれました。そこに気 付いてほしかった私は、気持ちを伝えてよかったと思いました。
「壊れているのが気になるので買い替えましょうか」「これが気に入っているんだよ」。お互いのこの一言があれば、事はもっと和やかに運んだことでしょう。相手のためを思う行為にも、言葉にして気持ちを添えるとなお温かさが伝わるようです。忙しい日常でつい用件のみの会話となりがちですが、気持ちを添えることで相手を尊び、自分の心をも大切にすることになるの だと思いました。