会社に新しいソファが届いた。「このオレンジ色がいいねえ」「気持ちがいい?」と周りの評判も良く、「気分一新、ますます頑張ってくれよ!」と、課長も一緒に喜んでくださった。
以前のものは座面が古くなり汚れも目立っていたので、座布団を敷いてカモフラージュしていたものの、オフィスの雰囲気には合っていなかった。そこで、カタログを見てみんなで話し合い、明るいオレンジ色のものを購入したのだった。
ところが次の日出社してみると、その新しいソファにまたまた前と同じように座布団が敷いてあった。
座面のオレンジ色は隠され、雰囲気は以前と変わらない様子。「この座布団どうしたの」と聞くと「新しいソファが汚れるからって、明子さんが持ってきたんだって。課長はあのオレンジ色を気に入っておられたのにね」
明子さんは会社のお掃除をしている人で、古いソファのことも一番気にしていた。「珈琲のシミでもできたらせっかくの新しいソファが台無しだからね」と明子さん。お掃除してくれる人だからこそ、汚したくない気持ちも強いのだろう。新しいソファには座布団は無くていいよねと、みんなで話し合って決めたつもりだったけれど、この雰囲気は伝わらなかったのかな。みんなの気持ちも下がり気味?
もちろん、「座布団は外しませんか」とお願いすることもできるけど、明子さんの気持ちもあるだろうし何か良い在り方はないかしら…。
するとそれから数日後、手芸の得意な直ちゃんがオレンジ色の座布団カバーを作ってきてくれた。布地にもこだわってくれて、まるで専用カバーのように雰囲気もぴったり。「汚れたらすぐに洗濯できるわね」と、明子さんも大満足!!
すてきになったソファのおかげで、新しい企画も生まれそうな予感(^.^)!