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『心に寄り添ってみる』

ペンネーム:ぽっぷ

1機しかないATMに並んでいた時のこと。
私の前にいた若いお母さんは、
子育て中ならではの大きな荷物とベビーカーを支えながら、
足元では1~2歳の子供がくっついたり離れたり。
ATMを操作しながらも子供の動きがとても気になっているようでした。


(ベビーカー支えてあげたいな)(子供の相手をしててあげようか)


     

そんなことをふっと思ったのですが、今はコロナ禍。
触れる、ということに躊躇してしまいました。
自分はともかく、触れられる側にしてみればきっといい気はしないと思ったのです。
ATMで順番を待つ人が増えてくると、そのお母さんの動きにだんだんと焦りが出てきたように感じました。
「早くして」「まだ?」という声が聞こえるわけではないのですが、
マスクをつけるのが当たり前になった現在、皆さんの表情は見えづらくなりました。 ATMを操作している若いお母さんは、そんな雰囲気を過敏に感じ取っておられたかもしれません。


    

マスクの下に笑顔を添えて、そのお母さんに向かってささやいてみました。

    

「焦らなくて大丈夫ですよ」


    

そのお母さんが返してくれた会釈から、“心に寄り添う”ことができたんだな、と感じました。
ほんの少しの寄り添う心、それだけで平和が広がっていくような気がしました。

    

コロナ禍だからこそ、少しでも安心して日々を過ごせたら……。 家族も、仲間も、町の人も、遠い国の世界中の人も。

    

さぁ、今度はどんな寄り添いができるかな。

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