相手の気持ちに添う |
大学4回生。卒業研究は2人でペアを組んで行う。運良く、私の相手は成績優秀なA君だった。7月に入り研究もいよいよ本格的になったころ、A君の様子が何だかおかしい。遅刻してきたり、午後はさっさと帰ったりと、元気がない様子。「最近、どうしたの?」と尋ねても、それらしい返事はない。研究が思うように進まず、悩む日が続いた。 次の日から、A君が休憩すれば、私も休憩。A君がトイレへ行くなら、私もトイレ。そんなことから始めてみた。A君と行動を共にすることで、彼の気分が、なんとなく味わえる気がした。2人の波長が、少しずつ重なるのを感じた。 …半年後、2人の波長は見事にシンクロし、卒業論文が完成した。何より、彼と無二の親友になれたことが一番うれしかった。 ミンスー |