現代は、多様化する情報に惑わされ、ともすると自己を見失う状況にあります。こころと体に関する悩みや心配も、そんな自己表現のゆとりがないところから起こることは少なくありません。自分の目の前に起こってきたことを、自己表現の素材としてとらえて工夫ができるようになれば、あなたの毎日はきっと変わってくるはずです。 |
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ハッピーおじさん:臨床心理士。
大学教授。 |
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ミサキは、高校2年生。高校は、電車通学で自宅から約1時間の所にあります。 |
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ハッピーおじさん相談室
ミサキはかなり慌てていました。ミサキはおじさんにどう話してよいかさえ思い浮かばない状態です。ミサキの手は、まるで依存症の禁断症状のように震えていました。 そのうち、やっとハッピーおじさんの所に来たという安心感からか話し始めました。ミサキは小学校に入学した時から携帯電話と共にある日々です。不安と手の震えは電車の中で「携帯電話を家に忘れてきた」と気づきながら「取りに帰れない」と思ったトタンから始まったようです。 私は、「携帯電話がないとだめ」というミサキの依存の気持ちが、ハッピーおじさんに携帯電話のことを話すことで、「話す」という主体である自分が戻ってきたと言えるでしょう。 どんな便利なものも、使う主体としての自分を見失わないようにしたいものです。
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