『つむじ観察記』 ある日突然、見慣れていた風景が変化していてビックリすることがある。ほぼ毎日見ていたはずなのに、こんな間近にキミのつむじが迫っていたなんて、思いも寄らなかった。 アニメ主人公の実写版かと見まがう寝ぐせ頭を、水でなでつけて髪をとかすのが朝の日課だったが、今朝はやけにつむじがクローズアップして見えたので驚いた。こうしてキミの後頭部を「リアルコナン」とちゃかしながら、ふかんして眺められるのも今のうち。やがて視界から消え、手も届かなくなるに違いない。あとどれくらい、キミのつむじを見送るのだろう、「行ってらっしゃい」と玄関まで・・・。 こんな感慨に浸る日々を経て、子育てはあっという間に過ぎて行く。あっという間に身長も追い抜かされて、「ねぇ、後ろ、はねてない?」と野太い声でチェックを求めるのが、キミの朝の挨拶になった。 見上げれば、後頭部だけは相変わらず「リアルコナン」のままだ。(あつ) |