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『今まで見えなかったことが・・・』

ペンネーム:アオリータ

挿画1 今までの私は、ついばたばたして、何でもいいかげんにしてしまっていた。のんびりした南の国、ペルーに住んでいるのに、なぜか自分だけがせわしい気になっていた。

 しかし先日、一時帰国した際に、忙しい中でも心を込めるという先輩たちの姿を見せてもらい、自分も見習う努力をしようと思って自宅に戻った。ところが今までの自分と違い、料理にしても材料不足があまり気にならない自分に気がついた。

挿画2 また、雨の少ないこの国で観葉植物の葉を拭くのが、以前は面倒だった。特に「金のなる木」は、ポロッと取れやすくて私は葉っぱを拭くのが大の苦手。でも先日、私なりに丁寧に玄関の観葉植物から拭き始めたら、終わるころには何ともいえず、うれしい気持ちになった。「やっと息ができた」と、植物が喜んでいるように見えた。廊下まで明るくなった気がする。以前は排気ガスと湿気で真っ黒になる葉をざっと拭いて、これ位でいいかなと思っていた。来られる方々に喜んでいただきたい、という思いも薄かったのだろう。

 休日に主人が出掛けようと言った時、私はテレビを見ながらアイロンをかけていたが、ふと手を止めて主人の声を聞いた。すると主人は「その番組を見てからでもいいし」と、最後に付け加えた。その時、主人の優しさが「すーっ」と心に入ってきた気がした。テレビの方に気持ちがいっていたら聞き取れなかったかもしれない。「ありがとう!」お言葉に甘えて15分程長く見てから2人で出掛けた。思いがけず人との出会いもあり、とても楽しい1日だった。

 心を込める努力をすると、今まで見えなかったことが見えるような気がする。ここのどんよりした空も、たまに水色の空になる。そんな日は歩いて市場まで行く。前の私なら、時間短縮を重視して、バスとタクシーが常だった。

 今はたまの日光の下、緊張は欠かさずだが楽しく歩ける。景色に限らず少しは周りを見られるようになってきたかな、そうだといいな、と思う今日このごろ。私にお手本を見せて下さった方々、ありがとうございます!!

  
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