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楽しむ力

私の母

ペンネーム : スイトピー

 私の母はおしゃれだと思う。私が子供のころは、生活が大変だったのにもかかわらず、私たち姉妹にお揃いの洋服を着せてくれた母に対して、近所のおばさんに
「あんたたちのおかあさんは間違っている。食べる足しにならないのに、洋服に金をかけておかしい」
と言われたこともあった。母は昔からいわゆる着道楽で、食べることよりも着る物にお金を使うタイプでいわゆるおしゃれだった。

 母から教わったおしゃれに関することは、いろいろあったような気がするが、今でも覚えているのは
「化粧よりも髪型をきちっとする方が感じよく見える」
「自分に自信がないのなら身だしなみに気を配りなさい」
「化粧は落とすときにも心をこめなさい」
「鏡でしか自分の姿は見れないでしょ、相手のために身ぎれいにするのよ」などがある。

 母は今86歳になったが、朝出かけるときはまず髪形を整えて、きちっと化粧をして、洋服をあれこれ選び、必ずネックレスをする。

 おしゃれは、母にとって、出会う方へのおもてなしのようなものかもしれない。おしゃれをして出かけているうちは、母は母らしく自己表現できているとも思って、安心している。


ステキな同僚

ペンネーム : 美猿

  同僚のMさんは、いつもすてきにおしゃれをしています。彼女は心をリセットするために服装を変えているとのこと。沈んでいるときはあえて明るい色を、頑張りたいときは辛めに男性っぽく、ちょっと気取って落ち着きたいときには、ヒラヒラ風にしてみたり。

 Mさんには、これまたすてきなダーリンがいて、
「女性は輝いていないと!服装は女性の表情を変えるからね。毎日の表情の積み重ねが人生を作っていくんだよ」
と、Mさんのおしゃれを応援してくれているそうです。

 Mさんのもう一つのチャームポイント、それは、とびきり明るいということ。初めての海外出張、しかも5泊6日の弾丸スケジュールをものともせず、陽気な現地の方々に「なんと明るい!」と言われたそうです。

 私も周りをも明るくするようなおしゃれと気遣いを心がけて、少しでも輝ける女性になりたいなと思っています。


おかっぱ頭だったけど…

ペンネーム : うなぎいぬ

  小さいころは、髪を切るのも、服を作ってくれるのも母でした。
今でいうおかっぱ頭ばかりだったので、母にお願いし、美容室で雑誌に載っている憧れの男の子のような短髪にしてもらったら、真っ赤なほっぺただけがあらわになりました。また髪が多く固いため、全部爆発したようになって、家に帰って大泣きしました。またジーンズが履きたくて、母と一緒にお店に行ったのですが、ウエストに合わせるとお尻がつかえるし、お尻に合わせるとウエストがぶかぶかだし…。母の愛で、私の欠点がカバーされていたこと、今更ながら感謝しています。

 それでも、おしゃれには関心があって、中学生のときに「自分もあんなふうになりたい、マネしてみようかな?!」と勇気を出して何度か挑戦してやってみました。ところが、髪質や体型のせいでうまくいきません。一つだけをマネしてもだめなんだなと、思い知りました。

 今は妻となり、母となり、人を見る目が変わってきたように思います。髪型、お化粧、着ている物はもちろん、その人の声や、言葉遣い、しぐさ、考え方などのトータルで、一人の人間としてどうであるかを見ているのです。それで初めて私の目に「感じのいい人」と映る、そんなふうに人を見ている私がいました。

 おしゃれな人や美人にはほど遠い私ですが、「感じのいい人になれたらすてきだなぁ」と思い続けて、先ずは立ち居振る舞いから気をつけている日々です。


フェイスチェック

ペンネーム : 鉢かづき

  さすがに朝の通勤電車で化粧をする度胸は無い。でも、会社に着くなりまっすぐ化粧室に直行し、時間の許す限り鏡でファッションチェックならぬフェイスチェック。準備万端整ってから職場に足を踏み入れ、にこやかに朝の挨拶ができたら、今日はラッキーなことが起こりそうな予感・・・。

 本当は寝不足で朝食抜きのまま、満員電車に揺られて頭も胃も朝からグダグダなのだが、鏡で自分の顔を見つめてモチベーションアップ。フェイスチェックは私にとって必要最低限のおしゃれでもある。

 以前、欠伸(あくび)をかみしめボーッとして歩いていたら、
「大丈夫?顔色悪いよ」
と心配されてしまった。よほど具合が悪そうに見えたらしい。顔は自分のものではあるけれど、自分以外の周囲からの方がよく見える。人に気を遣わせるようではいけない、自分が気を利かせねばと、この時肝に銘じた。

 おしゃれという域には及ばないが、まずは鏡の中の自分の顔に、笑顔で「お・は・よ・う」と。私自身にGood luck!