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『なるようになるんじゃないですかね』

ペンネーム:No Reply

 当時(かなり昔)、彼女と正式に交際して2か月が過ぎた頃、私は結婚に向けて気持ちが高ぶっていました。彼女は幼稚園で仕事をしていたので、受け持ちの園児の保育に一区切りがつく半年先の3月に退職してもらい4月には結婚しようと一人で思いを巡らせていました。

 しかし、彼女は念願だった仕事に就いてまだ年数が浅く、半年先に退職して結婚するなんて想像もつかないようでした。こう書くと、なんて身勝手な男性だろうと思うかもしれません(今なら私もそう思います)、それほどまでに彼女の魅力に心を奪われていたのかもしれません。早く形にしてしまわないと、何だか壊れそうな気がする、そんな心配も頭をよぎり始めていました。

 そんなある日、会社の本部に出張した時に、日頃から尊敬し、人生の師匠と慕っていた方が、たまたま小部屋のドアを開けたまま一人でパソコンに向かっておられるところに通りかかりました。私は今がチャンスと思い、おそるおそる私の悩みを相談してみました。師匠はあまりイヤな顔もされず、また笑顔も見せず、こちらをじっと向いて聞いておられました。そして少し間が空いた後、「なるようになるんじゃないですかね」と一言仰いました。

挿画 文章に書いてしまうとこれだけですが、ちょっと突き放されたような一言が、私の熱い思い、高ぶっていた気持ちをクールダウンさせてしまったようで、「まあ半年先に結婚できなくても、その次の機会まで待つのもいいかな」と不思議に思いが切り替わりました。

 その後、頼んだわけではないのに、なぜか彼女の父親が彼女に早く結婚するように説得してくれて、また彼女もそれを受け入れることになり、3月に退職、4月に結婚することとなりました。

 人生正に、なるようになるんじゃないですかね。

  
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