『街歩き』 ペンネーム:コボちゃん 街には、その街独特の空気が流れています。 街を歩く。それが私の好きな時間です。 出張や旅行で訪ねた街は言うに及ばず、住み慣れたはずの街でも、角を曲がり、路地に一歩足を踏み込むだけで、街はまた新しい顔を見せてくれます。 古いレンガ造りの建物。間口の広い倉庫のような建物から、コーヒーの何とも言えない香りが漂ってきます。「チリンチリン・・・」誘われるように入ると、そこはお店で、奥には古木で組まれたカウンターが。サイホンにケメックス、エアロプレスにクローバー・・・。ずらりと並んだコーヒーの抽出器具の数々。昨今は豆の産地に応じて、コーヒーそれぞれの個性を引き出し、際立たせる淹(い)れ方があるのだとか。立ち上る香りを聞けばなるほど、それぞれに違った表情を感じさせてくれます。 運ばれてきた小さなバンブートレーとカップ。店員さんが添えてくれた笑顔は「Enjoy it !! / 楽しんで!!」と言ってくれているようです。ほっと一息ついて見上げれば、打ちっ放しの床や壁に、所々黒っぽい染みが・・・。聞けば、この店、以前はバイク工場だったとか。「出かけてきたかいがあった・・・」。店内に流れる心地よい時間と空間。また一つ、お気に入りの場所ができました。 ネットに繋がりさえすれば、どこにいても、どんな情報でも瞬時に得られる便利な時代。検索サイトの小窓に知りたいことを打ち込めば、瞬時に何千という答えが返ってきます。無駄足を踏むことも減りました。 それでも私は街に出掛けます。色や光、ぬくもりや香りといった、街の“息づかい”。そんな空気に触れたくて、「ここに行けば・・・」に出会いたくて、私は今日も街に出ます。忙しい日常の中のほんのひととき、あなたもちょっとした合間を縫ってそぞろ歩きに出かけませんか?PCのディスプレーのスイッチをオフにして・・・。 |